top of page
  • Twitter Social Icon
  • Facebook Social Icon
検索

「ことばの交差点」10 

  • 執筆者の写真: 矢野修三
    矢野修三
  • 2023年12月2日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年1月29日

                          日加トゥデイ11月号 掲載

☆ 「年」と「歳」 どっちがお好み?

 

 前回のエッセイ「8才」と「8歳」をお読みになった方から

「年を取る」と「歳を取る」と、どっちが正しいのか・・・などの問い合せをいただいた。これは日本語教師としてもときどき受ける質問であり、確かに日本人でもどちらを使うべきか・・・

迷う人も多い。

 先ず、漢字の決まり事を少々。「年」はもちろん、「歳」も常用漢字である。常用漢字とは国が定めた一般的に使用される漢字の目安。でも読み方が結構ややこしい。「年」は

音読み(中国語式発音)の「ネン」と、訓読み(日本語式発音)の「とし」で、小学校で習う。でも中学で習う「歳」は読み方が複雑。音読みの「サイ・セイ」は常用だが、訓読みの

「とし」はなぜか常用外である。


 それゆえ、公式な文書や新聞などには「歳を取る」は残念ながら使えず、「年を取る」が正式な書き方とのこと。うーん、確かにややこしい。でもこれはあくまでも目安であり、

個人的なブログやメールなどには「歳を取る」を使っても全く問題なし。


 すると「年」と「歳」の違いが気になる。うまく使いこなすコツは何か・・・。別に

決まりなどなく、人によってまちまちだが、一般的には年齢の老若によって使い分けているのでは・・・。


 例えば「年を取るにつれてだんだん世間が見えてくる」などは若年者であり、

「年を取る」のほうがふさわしいかも。一方「歳を取ると物忘れがひどくなる」などは

老齢者の表現で、「歳を取る」のほうが似合っていると思う人が多いのでは。事実

「年を重ねる」よりは「歳を重ねる」のほうが何となく落ち着きを感じる。


 更に、会社などで部下を叱る場面の「いい年して、そんなことも・・・」などの対象者は若手社員であり、一方、年配者の自戒の言葉として、「いい歳して、赤面の至り」などの

ように「年」と「歳」の使い分け、いとおかし。「歳」の訓読み「とし」は常用外だと、

ほんのり意識しつつ、使い分けは個人個人のお好みでノープロブレム !


 でもちょこっと注意も必要。「この家もかなり年取った」などの人間以外の場合は

「歳」は使えない。加えて「年寄りの冷や水」や「美人に年なし」などの慣用句には

「年」を使うのがルールとされている。なるほど。


 人生100年時代と言われており、年甲斐もなく、老いの木登りではないが、

エスカレーターなどなるべく使わず、階段をよじ登って体を鍛え、元気に歳を取りたい、

重ねたい所存でござる。



 
 
 

最新記事

すべて表示
《ことばの交差点》 26

日加トゥデイ 3月号 掲載 ☆ 「食べ放題の店」と「宿題」    二十四節気の啓蟄(けいちつ)もとっくに過ぎ、虫たちが土の中から出てくるごとく、 我が輩も久しぶりにダウンタウンに飛び出した。以前、学校があったバラード通りなどを歩いてびっくり。コロナの影響もあり、かなりの店が...

 
 
 
≪ことばの交差点》25

日加トゥデイ 2025年2月号 掲載 ☆ 「足」と「脚」の奥深さを楽しむ     いきなりですが、「雨あしが強くなる」の「雨あし」を漢字で書くと、 「雨足」か「雨脚」か・・・。いろいろな人に聞いたところ、ほとんど「雨足」。 理由は、「脚」は書くのが難しいから。確かに、...

 
 
 
≪ことばの交差点≫ 24

日加トゥデイ 2025年1月号 掲載 ☆ 「おめでとうございました」の文化的背景    明けましておめでとうございます。今年は巳(み)年、「巳」を「実」にかけて、いろいろ楽しい願いが、巳を結びますように・・・。本年もよろしくお願い申し上げます。...

 
 
 

Comments


  • Grey Google+ Icon
  • Grey Twitter Icon
  • Grey LinkedIn Icon
  • Grey Facebook Icon

Copyright © 2021 Yano Academy. All Rights Reserved.

bottom of page